―[貧困東大生・布施川天馬]―


 現役東大生の布施川天馬と申します。学生生活の傍ら、ライターとして受験に関する情報発信などをしています。

◆東大生は『鬼滅の刃』をどう読み解いたのか?

 みなさんは劇場版鬼滅の刃』をもうご覧になりましたか? 僕は漫画版を連載当初からずっと追い続けているのですが、「無限列車編」はシリーズ全体を通しても1、2を争うほどのベストバウトです。少しでも「『鬼滅の刃』って面白そう!」と思われた方は、ぜひ劇場に行って、ご覧になることをおすすめします!

 さて、そんな『週刊少年ジャンプ』発の大人気マンガ鬼滅の刃』が大ブームとなっています。

 昨年のアニメ化から始まったブームは今年に入ってもまったく勢いを衰えさせることがなく、むしろ2020年は漫画版完結、そして、10月16日には劇場版無限列車編」の公開と、鬼滅ファンにとって激動の年になりました。

 先日のハロウィンの仮装でも主人公竈門炭治郎をはじめとする「鬼滅ルック」が多く見られ、もはや社会現象といってもいいほどに流行しています。

 そんな『鬼滅の刃』ですが、当然、東大内でも大流行しています! 僕ら東大生はマンガ好きな人も意外なほど多くいるのですが、やはり『鬼滅の刃』を最近では一番、注目しているという人が非常に多い印象があります。

◆炭次郎よりも人気を集めている善逸

 そして、そんな鬼滅好きの東大生たちがもっとも注目しているキャラクターは当然、主人公竈門炭治郎……ではなく、その仲間の我妻善逸なのです。

 我妻善逸主人公である炭治郎とって最初に仲間になるキャラクターです。「雷の呼吸」という技を使い、目にも止まらぬ超高速での戦闘を得意としています。

 さらにこのキャラ面白いところは「普段はヘタレなのに、いざというときは覚醒する」というところ。そのギャップがウケたのか、第2回人気投票では炭治郎を抜いて、堂々の1位に輝きました。

ヘタレなのに好かれる我妻善逸の魅力

 しかし、僕ら東大生が「善逸こそ一番だ!」と考えるのは、実はここが理由ではありません。もちろんこのギャップに富んだキャラクター性も人気の秘密ではありますが、もっと深い理由があるのです。

鬼滅の刃』という作品において、我妻善逸こそ最も優秀なキャラクターであると僕ら東大生が考える理由は、「一つの技術を極め続けているから」。善逸は自分のできることを磨き続けて強くなっていったキャラクターなのです。

◆鬼滅における「呼吸」の位置づけ

 通常、善逸たち「鬼狩り」は「水の呼吸」や「雷の呼吸」など「(全集中・)○○の呼吸」と呼ばれる技を使って強靭な鬼たちと戦います。この「○○の呼吸」という技にはそれぞれいくつかの型があり、それを使い分けることによって、さまざまな局面に対応した剣を振るえるようになるわけです。

 たとえば、鬼との戦闘の最中、沼の中へ引きずり込まれてしまった炭治郎は「水の呼吸 陸ノ型 ねじれ渦」という技でピンチをはねのけます。

 この技は足場がなく、踏ん張りの利かない水中でこそ真価を発揮するように作られた技ですので、このシチュエーションで使うにはぴったりだったわけですね。

◆圧倒的なハンディを抱えながら戦う我妻善逸

「呼吸」にはそれぞれいくつかの型があるのですが、その数にはバラつきがあります。ただ、劇中で見られる範囲に絞っても、少なくとも各4種類以上は確認されているようです。さすがにこれ以上少ないと、変化する戦況に対応することができないということなのでしょうか。

 しかし、善逸は「壱」から「陸」までの6種類ある雷の呼吸を「壱ノ型」しか使えませんでした。たった1種類の技しか使えないままプロの鬼狩りとしてデビューしてしまったわけです。

 これは戦士として致命的です。実際、たった一つの技しか使えないことを敵に見破られてしまってピンチに陥る場面が何度もありました。それでも彼が厳しい戦いの中で生き残ることができたのは、一つだけしかない「使える技」を限界まで極め抜いたからです。

◆「極め抜く」ことこそが自分の道を切り開く手段

 この「極め抜いた」という表現は決して過言ではなく、本来ならおそらく不可能であろう、連続で技を発動するバージョンや、普段以上の超々高速を生み出すことに特化したバージョンなど、たった一つだけの技術という枠の中で、考えられる限り最大限豊かなバリエーションを生み出しています。

「できることが限られているのであれば、それを誰にも負けないほどに極め抜けばよい」という彼の師の教えもあり、そのようなスタイルになったわけですね。

◆多くの東大生が抱える「絶望」の正体

「なぜそんなことが気になるのか?」と思われる方もいるかもしれません。でも、僕ら東大生にとっては非常に大事なことなのです。それは僕ら東大生が東大に入って真っ先に直面する絶望が「自分にはどうせなにもできない」ということだからです。

 全国から優秀な人材が集まってくる東大という環境には、当然のことながら「自分の上位互換」ともいうべき強者がゴロゴロいます。それまでは持ち前の優秀さで無双を繰り返してきたような人でも、東大入学後に自分を完全に上回る超人に出会ってしまうことだって少なくありません。

◆東大生がついやりがちな「悪いクセ」

 僕ら東大生の多くに共通する悪いクセなのですが、非常に合理的な人が多いので、「自分よりもずっと優秀な人がいるならば、その人が全部進めたほうが効率がいい」と考え、自分の存在意義を見失ってしまうような人も多々います。

 連日の「東大をネタにする」系のテレビ番組では、それぞれの東大生に強烈なキャラクターがついていることが多いのですが、実際のところ多くの東大生は自分の個性に悩み続けているのです。

 善逸の戦う姿はそんな僕らに勇気を与えてくれるものでした。

我妻善逸の「心の強さ」が教えてくれること

 僕らは「自分よりも他人のほうが優れている」というだけでも心が折れてしまうのに、彼はさらに「自分が圧倒的に劣っている」という状況に置かれていました。それでも自分にできることだけを磨き続け、過酷な戦いに身を投じる選択をした善逸の心の強さに僕たちは惚れこんでしまったのでしょう。

「できないことは無理にやらず、できることだけを誰にも負けないほどに極める」

 口に出すのはとても簡単ですが、実行するのはとても困難なことでもあると思います。しかし、この一見単純そうに見える答えを実行できる人こそが、社会に出ても成功できる人なのかもしれません。

【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』が発売中

―[貧困東大生・布施川天馬]―


<アニメ『鬼滅の刃』(第1話~第26話)はdTVで配信中>©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable


(出典 news.nicovideo.jp)


(出典 www.shinyawblog.com)



<このニュースへのネットの反応>

・・・世帯年収300万円台を*にしているのか


でた、東大生という肩書を使ってるだけで東大では何も学んでない奴


善逸の良さは「できなくても全力で立ち向かおうとする」ところだと思うんだけどなあ。


東大生(笑)のご発言なら*の味でも記事にしそうやな


「一芸に熟達せよ。多芸を欲張る者は巧みならず。」長宗我部元親の言葉だが、一理ある・・・(´・ω・`)。


百の技を知るものより一の技に長ずるものを畏れよともいうし、今更言うかって感じかなあ


知ったかぶりしてが自分の趣味嗜好を語ってるだけですね


善逸というか、中の人の演技がとても好き。アフリカのオオハシといい、ダメ人間の演技がなんとも秀逸だと。


善逸は柱候補としては劣等生だけども、新人隊員としては相当なエリートやで。したっぱ隊員なんて呼吸が使えなかったり、使えても薄くてエフェクトが見えないレベルばっかやで。「これだけ頑張ってる人間に薄いとか言うな」とは村田隊員の弁。


「炭治郎・・・俺・・・守ったよ。お前がこれ・・・命より大事なものだって・・・言ってたから・・・」←このシーンが全てだろ。